コラム
コラム 2015.12.31

ラグビーのようなきっかけを・・・・

岩手県大船渡市の碁石海岸

ここ数年では比較的あたたかい年の瀬で、12月が終わります。

早ければ11月の終わりからカツン!と寒波に見舞われたのがここ数年のパターン。日本海側を中心に完全に商品が売れ止まる年末が続いていました。それが今年は比較的マシというか、12月としては記録的な高温を観測した地域があるように真反対の様相です。これにもまた先々の反動が起きたらと心配もありますが、とりあえず釣り人が結構動いてくれたおかげで製品の動きもまずまずでした。釣れる釣れないは別にして、人が動いてなんぼのところがあるのが現実です。今年前半、天候に泣かされ続けた分をここでも少し取り返せて、ちょっとだけホッとできた感じでしょうか。

さて、この一年を振り返り、また来年以降を考えた場合、なかなか厳しい現実があります。釣り人口が減少して縮小傾向にある市場に加え、肝心な魚資源も非常に心配な状況。業界団体もメディアもいろいろと策を出してはいますが、大きな成果は見えてきません。でも、このまま衰退一途になってしまうかと言えば、それもあり得ないと思うのが正直なところです。きっかけさえあれば、まだまだ多くの人が釣りの楽しさを味わえると信じて疑わないからです。

今年、ラグビーのワールドカップで大躍進を見せた日本チーム。それ以降、各地のラグビースクールは入門者が増え、シーズンに入ってからは大学、社会人ともここしばらくでは考えられなかったレベルの観衆が集まっています。ちょっとバブリーな感じがしないでもないですが、元々ラグビーには80年代に国立競技場を満員にするだけの魅力があったのも事実。学生と社会人の実力差が広がって以降、メディアの露出が減って長い低迷期に入りましたが、今回の躍進で一旦歯止めが効いたことでしょう。底辺人口の減少で高校でも廃部や連合チームでの出場が常態化しましたが、当然のことながら上向くことが期待されます。

そんなドン底から一気に注目を浴びるようになったラグビーのことを思えば、釣り界の置かれたポジションなんて、まだまだ恵まれたものではないでしょうか。確かに魚は減って、心配なネタを挙げれば尽きません。しかし、食べることまで含めた楽しみは釣った本人だけでなく、周囲の人にも楽しみや幸せをお裾分けできる素敵な遊びです。老若男女も問わないこの切り口こそ、V字回復の決め手になればいいんですけど・・・・。

とにかく新しい年も楽しい釣ができますように!
2016年も「釣らせ名人」浜市の釣り餌をよろしくお願い致します。

※写真はアミエビの生産でお世話になっている岩手県大船渡市の碁石海岸。この春訪れた際の景色は4年前の大震災が信じられないくらい青々として、生命感あふれるもの。海のパワー、資源力は凄いですね。ここは初日の出でもとても有名だそうです。