コラム
コラム 2016.10.31

冬が来る前に・・・

磯釣り師

近づく冬の気配を感じながら10月が終わります。

雨の多い9月の流れを引きずって、前半はスカッと晴れる日が少なく、この時期らしい盛り上がりに欠けるひと月でした。後半に入ってからようやく天候も安定してきたのがせめてもの救いです。ドカンと寒くなる前にガッツリ稼がねば・・。

さて、昔は磯渡しと言えば当たり前のように、磯釣り師の姿しかなかったわけですが、近頃は様相が変わりました。アオリイカ釣りがブレイクして以降は、イカのお客さんは餌釣りの人もエギの人も渡船屋さんにとってはお得意さん。紀東あたりの磯ではこれに加えてハタ系の魚をルアー(ワーム)で狙うお客さんが急増してる地区もあって、様変わりは著しいです。それでも平日と週末の差は大きく、すべてのジャンルのお客さんを合わせても、なかなかつらいお商売のようです。ネットによる情報の早さは、釣れてる時だけ客を引き寄せる傾向もあり、逆に売り上げが低減することも。高齢&後継者がないことで廃業される業者さんも少なくありません。

考えてみれば、普通の人が寝静まった時間帯に毎日毎日寝起きをして、時期によっては夜間の送迎もあるわけですから、仕事に拘束されてる時間の長さは半端じゃないレベル。送迎のあいだ、あいだに休めると言っても、拠点を大きく離れるわけにはいかず、風が吹き始めて時間より早く撤収の船を出すときなどは、操船的にも緊張を強いられますから、本当に面倒なお仕事です。とにかく健康で体力のある人でないとできないことでしょう。

釣りという遊びの特性上、渡船屋さんに限らず、遊漁船さんにしてもエサ屋さんにしても深夜~早朝の仕事は付きものなわけですが、特に渡船屋さんは大将一人が切り盛りしているケースが少なくないので、その負荷は計り知れないもの。また遊漁船などと違うところは、決まった地域にその店しかなければ、廃業イコールその地区での釣りもできなくなることです。

車の世界では自動運転の研究開発が進んできそうですが、夢の無人渡船とかは・・・。まあこんなニッチな世界ではとても無理か。それこそ、どんなにコンピューターが世の中を便利にしても、思い通りにならなところが自然の尊さでもあるわけですね。

さあ明日から11月。わかってる範囲で月初の天候は良さそうな感じ。まだまだ釣れるシーズンですから、皆さんどんどん出かけましょうね!