コラム
コラム 2019.04.30

時代を超えて栄えあれ!「日本の釣り」

芳養新港

超大型連休真っただ中、4月が終わります。

今このタイミングで「4月が終わる」なんて言い回しは、ほぼ誰も口にしないくらい世間は平成の終わり&令和の始まり一色です。

今月は中盤まで天候も安定し、連休が楽しみと目論んでおりましたが、後半に入って妙な寒気に包まれたおかげで様相が一転。ただ気温が少し下がるだけならまだしも、風に吹かれては色んな釣りに影響は避けられません。いずれ帳尻は合うのかとみていますが、とりあえずはせっかくの超大型連休にしては拍子抜けの前半を過ごしています。後半の方が天気は安定しそうなんで、そこでの挽回に期待するとしましょう。

先月のここにも記したとおり、平成の30年間で釣りの在り様は大きく変わりました。30年前、海釣りでルアー釣りが無かったわけではありませんが、基本的に魚はエサで釣るものと多くの人に認知されていたはずです。特に釣りを全くやらない人はほとんどそう思っていたでしょう。それが様々な魚種で細分化されたルアー関連のタックルが開発され、立場が逆転。タイミングとしては2000年台前半に爆発的に流行ったエギによるアオリイカ釣りが大きなターニングポイントだったように思えます。イカ資源も十分だった当初は、入門ロッドに廉価版のエギでもソコソコ釣れたように、釣りを全くしたことのない人にやらせるのに恰好のジャンルに。ゆえに「魚は釣ったことはないけど、イカ釣りは大好き」などという人が結構いたようです。現在は近場で釣るのが難しいほど資源レベルが下がったようで、専門誌など見ても飛行機で行くような地域での釣行記が目立ちます。しかしそんなイカ市場の代わりにアジングやロックフィッシュなどのジャンルが深掘りされて市場が広がりました。

それに対し、エサを使った釣りで平成の30年間に生まれたものと言えば、パッと出て来なかったりしますが、中身は随分変わりました。例えば電動リールを使う人などいくらも居なかったのが、高性能・小型化が進みに進んで大普及。大阪湾のタチウオなんかでも、今やほとんどの人が電動を使い、劇的に釣果も上がっています。ちょっと釣り過ぎが心配ですが、他の魚種でも道具の進化で様変わりしたエサ釣りが在るのも間違いありません。ここで何度も記してきたようにエサにはエサのアドバンテージが存在するのです。昭和から平成の何十年に積み重ねられた経験や技術は本当に偉大なもの。同じ業界で扱われる以上、決して対立するものではなく、その良さをうまく伝えながら令和の時代にも生き延びるエサ屋稼業を続けていきたいと思います。


写真は昨日、平成最後の「昭和の日」に家族連れなどで賑わう地元・芳養新港。昔に比べたら、釣りのスタイルも一様ではなくなりましたが、こういう釣り場ではまだまだエサ釣りの釣り人が圧倒的に目立ちます。この光景も実に昭和的。ただ新しい時代はモノの供給だけでなくソフト面の伝承がますます必要になってくるのでしょうね。