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寒中に咲く

 今年も暖冬だと高をくくっていたので、ここしばらく続いている寒波が一層きつく感じられます。
たぶん今がこの冬の寒の底なのでしょう。そんな中、我がみなべの里は今、ほのかな梅の香りにつつまれています。 寒風に晒されながらも、受粉が済むまでの間、凛として花開く姿にこちらの心の姿勢も正される思いです。 桜の散り際の潔さも見事ですが、寒中の梅花に観る忍耐力にも、ひとりの人格者に出会ったような気がして、すがすがしい気分になります。

 巷間、にわかに我が国の食糧自給率について各メディアが取り上げています。生命維持に不可欠な食べ物についての問題なので、ついついヒステリックになるのは解りますが、今頃になって値上がりはいやだとか、安心して子供に食べさせられるものがないだとか、まるで子供がだだをこねるような発言が聞かれます。 でも冷静に考えてみれば、この地球上で恵みとして得られる食べ物の分量には限りがあって、それを今も増えつつある世界人口で取り合っているのですから、一人あたりの取り分が少なくなるのは当然のことでしょう。

 食卓に並ぶ食べ物の成り立ちを深く考えずに、満腹になって当たり前のように思い違いしていたことに気付かされる時期が来たのでしょう。それでも食べて生きて行くためには、今までの食に対する観念を、特に日本の高度経済成長期以降に生まれた人は改めなければならないと思います。
じっと待ったり、思慮深く考えたり、簡単にあきらめないなどのまさに強い忍耐力を養う為の、よい機会が与えられたのではないかと私は考えます。

※写真は見頃を迎えた梅林よりみなべの町並みを望む